2011/11/08

坂の上の雲

文庫本 8 巻組.約 1.5 週間で一気に読んだ.
大きめ文字の新調版が出ているので,そっちお勧め.
写真は旧新混ざっている様子.(表紙とか巻数表記のレイアウトが違う)

伊予出身の正岡子規と秋山兄弟を中心とした明治歴史小説.
… の筈なんだけど,3巻で正岡子規死去後は日露戦争物語.
基本史実(作者は完全に史実のつもりで書いていた)だが,
Wikipedia とか作者後日談によると一部間違いもあるらしい.

前半の正岡子規パートは日本文学界の変移について.
特に俳句/短歌界の大改革に関して.
彼が新聞出版系等のメディアを通じて社会に大いに影響あったなら,
戦争を経てそれらがどう変化していったのかにも触れて欲しかった.

後半の日露戦争部分は各戦場の解説と考察.
如何に困難で劇的な勝利であったかを強調している.
主人公である筈の秋山兄弟よりも乃木/児玉/東郷メイン.
できればポーツマス条約の内容やその後のロシアにも触れて欲しかった.
ウィッテ押しなら尚更.

加えてどうも人物を有能/無能で分けたがる節が強い.
何事も善悪とかデジタル的に感じる人なのかしら?
さらに陸軍に対する批判抽象はどことなく私恨すら感じる.
余談や脇道が多く,作者自身の都合等を作中に表現するのも如何なものかと.

そんな感じの批判点もあげれるけど,間違いなく大作と断言できる.
戦争描画のドキドキイケイケ感(不謹慎)や,時代背景の精密描写は類を見ない.
個人的には以下の所感付き :
  • 「子規」=「ホトトギス」の意味を始めて知った.
  • 「坂の上の雲」って表現が理系ながらドストライク.
  • 技術進化の凄まじさに圧倒される.特に軍艦好きにはたまらない.
  • 戦場推移マップがまたいい! 個人的にはこれだけでも楽しめる.
とにもかくにも日本人なら読んどけって作品.

このあたりの時代背景は「維新の嵐」っていう KOEI のゲームが基礎知識になっている私.
人生,何がどうなるかわからんもんやね.(作中の人も)